トップページ > 旅のはなし > ネラホゼヴェス

Nelahozeves

今回の旅はかもめの列車で行く一人旅。何を隠そう、かもめは列車と時刻表が大好きです。ついにチェコ鉄道の時刻表を買ってしまったのです。そして、その次の日には時刻表をリュックに背負い、出かけていたのでありました。
向かった先はドヴォジャーク(ドボルザーク)の故郷として、そしてチェコの有力貴族ロブコヴィッツ家の城で有名な町、ネラホゼヴェス。慣れるまでちょっと言いづらいネラホゼヴェス。
写真 出発はマサリク駅です。傾向としてチェコ国内を走るローカル線はマサリク駅発、国外まで行く長距離特急はプラハ中央駅発ですね。マサリク駅の切符売り場はちょっと分かりにくい奥、Hybernska通り側の入り口から入ったところにあります。「ネラホゼヴェス、スパーテチュニー(往復)」と言って買いましょう。
写真写真 切符を買ったらホールに戻って、電光掲示板にホーム番号が表示されるのを待ちます。大体どの列車も10分前にならないと表示されません。チェコ人の不思議なところなんですが、みんなずっっっっと何もせずにひたすら掲示板を見て待つんです。発車時刻前までたばこを吸ったり本でも読めばいいものを。。。油断してるとおいていかれかねない社会主義時代の名残なのでしょうか。。。
写真 電車が到着しました。ものすっごい落書きですw最近、新幹線の落書きを消すのが間に合わなくてやむなく運休したという日本のニュースを見たばかりだったので、チェコ国鉄の潔さに打ちのめされました。確かにこんなの消せっこないよね☆
写真写真 30分ほどでネラホゼヴェス駅に到着です。駅舎は無人。ホームからは鶏の鳴き声が・・・当たり前ですが、地下道などないので左右を確認して線路を渡ります。うむ、こういうの好き。
写真写真 噂には聞いていたけど、ドヴォジャークの生家は本当に駅の目の前でした。写真は駅前の芝生から撮ったものです。生家は博物館として公開されています。ドアは閉まっていますが開館時間でしたので中庭にお邪魔し、横のブザーを押ししばらく待っていますと、別のドアからお母さんと子どもが現れました。博物館の鍵を開け、お母さんがドヴォジャークのCDをかけ、本日私だけのためにオープン!w
写真 生家は見学できる部分だけで4部屋。最初の部屋は居間が再現されていました。肉屋兼居酒屋だったというこの家は、比較的にぎやかだったことでしょう。次の部屋には有名なドヴォジャークの胸像があり、生家の前にドヴォジャークが立っている写真や、当時走っていた機関車の写真などが展示してあります。すごくうろ覚えですが、5歳から12歳までをこの家で過ごしたドヴォジャークは大の鉄道好き(ものすごい共感する部分w)でした。彼の家の目の前に駅ができ、ドヴォジャーク少年は大喜びだったそうです。まぁ、前後関係は分かりませんが。。。なので彼とは直接関係ない展示ですが、機関車の写真にかなり見入ってました。ちなみに駅ができたことをきっかけに父親は居酒屋を経営し始めます。
写真写真 写真はドヴォジャークが弾いていたヴィオラ、作曲に使用していた羽ペンです。一応バイオリンをかじっているかもめですので、興奮するわけです。彼は5年程度(うろ覚え)スメタナの指揮するオーケストラでヴィオラ奏者として活躍していました。当時のパンフレットには、真ん中に指揮者のスメタナ、それを囲む演奏者の顔写真の中にドヴォジャークを見つけることができます。同じパンフレットはプラハのスメタナ博物館にもあった気がします。
写真 芝生でくつろぐドヴォジャークさん(一番左)。確かに彼は生きていたんだなぁ。
写真写真写真
私一人だけのために待っているお母さんに悪いとは思いつつも、1時間ほどかけてゆっくり見学をしました。最後にはがきを購入し、記念スタンプを押してもらいます。ついでに手帳にも頼んで押してもらいました。良い記念です。
生家を出てみてちょっとびっくりしたこと。左斜め前には駅、真っ正面には彼が歌っていた教会、右手にはネラホゼヴェス城(母の勤め先)です。なんて立地!!写真は一歩も動かず、左・正面・右を撮ったものです。当時はあったのかもしれないけど、家の両隣りには特に民家もありません。孤立してるなぁ。
写真写真 生家のすぐ横がちょっとした広場になっており、突如ドヴォジャークの有名な銅像が現れました。「うむ、立派だよ。地元の人々に今も誇りに思ってもらえるって気持ちよさそうだね、君。」彼が眺めているのは丘の上のネラホゼヴェス城です。
写真 さて、いよいよネラホゼヴェス城、ロブコヴィッツ家の邸宅に突入です。プラハ城内にもロブコヴィッツ家は大きな宮殿を構えており、春にプラハを訪れた母達とその膨大なコレクションを見学いたしました。文化活動を大事にする貴族で、ベートーヴェンやモーツァルトといった音楽家、ルーベンスやベラスケスなどの画家、超有名人たちがロブコヴィッツ家と関わりがあるわけです。というわけで、ロブコヴィッツ・コレクションは絵画・家具・食器類・楽譜・楽器とめちゃめちゃ多岐にわたっています。プラハ城にあるコレクションが素晴らしかったので、ぜひこっちのコレクションも見てみたかったのです。
残念ながら城内の写真撮影は禁止されているので、うまく伝わらないとは知りつつも、どんな感じだったか説明してみます。
プラハ城のコレクションは肖像画、食器のようにテーマごとに分かれていましたが、こちらは部屋の様子をそのまま残しています。図書室、たばこルーム、寝室、教会の部屋といった感じです。なので生活の雰囲気が伝わってきます。ちょうど縮小版シェーンブルン宮殿のようです。お客さんが少ないからでしょうが、勝手に見て周ることは禁止されており、ガイドさんと一緒に回ります。私のときはチェコ人家族と私というメンバーでした。一応英語の説明書を借りましたが、ガイドさんのチェコ語を聞きながら英語に目を通しながらコレクションを見学なんて無理でしたので、必要なかったですね。ガイドさんは若い女性で、分からないことがあったらなんでも質問してくださいと笑顔の素敵な方でした。興味深い話をまぜつつ、絵の細部や時計の仕掛けにいたるまで丁寧に説明してくれましたよ。ただ私の理解がせいぜい70%ほどだったのが残念。
見学を終え、ロブコヴィッツ家の地ビールを購入。後日試飲してみましたが、ピルスナータイプはおいしく、黒ビールの方は甘すぎて口に合いませんでした。

写真 列車が来るまでかなり時間があったので、城の守衛さんにどこかに町全体を見渡せるような丘とかないですかと聞いてみました。この守衛さん、かなりいい人で、本気でネラホゼヴェスの良さについて考えだしましたw本当に頭を絞ってもいい景色のところはないらしいですwじゃあお腹がすいたのでどこかにお店はないかと聞くと、そこにあるよとめっさ小さい店を指され、行ってみると洗剤と水しかない!w日持ちするものしかないわけです。パンやりんごすらありませんでした。ネラホゼヴェス、恐るべし。。。時間つぶしに線路の反対側を散策。すると、ホステル兼レストランという素敵な場所を発見し、列車がくるまで絵葉書を書いて過ごしました。

こんなに素朴な町に大作曲家と大貴族がいたとは驚きです。

ページ上部に戻る

inserted by FC2 system